海外駐在で現地スタッフとの関係に疲れたときに考えたいこと

海外駐在中、現地スタッフとの関係に疲れてしまうことはありませんか。

こちらの意図がうまく伝わらない。何度説明しても期待どおりに仕事が進まない。仕事への考え方や優先順位が違う。注意をすると反発され、何も言わなければ問題が放置される。

日本では当たり前だと思っていた仕事の進め方が通用せず、どう対応すればよいのかわからなくなることもあるでしょう。

海外駐在では、仕事の成果を求められる一方で、言葉や文化、価値観の違いを踏まえて現地スタッフと関係を築く必要があります。日本本社と現地法人の間に立つ立場であれば、双方の期待に応えようとする負担も加わります。

こうした状況が続くと、仕事そのものよりも、人との関係に疲れてしまうことがあります。

この記事では、海外駐在で現地スタッフとの関係に疲れる背景を整理し、仕事上の関係を見直すために考えたいことを紹介します。

なぜ海外駐在では現地スタッフとの関係に疲れるのか

仕事の進め方や優先順位が違う

自分では十分に説明したつもりなのに、期待したように仕事が進まない。期限を伝えても、優先順位が違うように感じる。進捗を確認すると、相手から不満そうな反応が返ってくる。

こうした場面が重なると、「なぜわかってもらえないのだろう」「どうして自分の意図が伝わらないのか」と感じることもあるでしょう。

ただし、仕事の進め方の違いを、すべて本人の意欲や能力の問題と捉えることには注意が必要です。指示の具体性、責任範囲の認識、権限の持たせ方、業務量など、背景にはさまざまな要因が考えられます。

文化の違いが関係することもありますが、国籍だけで相手の行動を説明できるわけではありません。個人の考え方や職場の慣習、組織の仕組みも含めて捉えることが大切です。

注意や指示をすることに疲れてしまう

現地スタッフに改善してほしいことがあっても、強く伝えると関係が悪くなるのではないかと心配になる。一方で、遠慮して伝え方を曖昧にすると、期待した改善が見られない。

こうした板挟みも、海外駐在で感じやすい負担の一つです。

特に、日本本社から成果を求められている立場では、現地スタッフとの関係を大切にしたい気持ちと、業務上必要なことを伝えなければならない責任がぶつかることがあります。

相手との関係を守ることと、必要な要求を伝えることは、必ずしも相反するものではありません。

相手の性格や能力を評価するのではなく、「何を、いつまでに、どの水準で行う必要があるのか」を具体的に伝えることが、認識のずれを減らすきっかけになります。

自分ばかりが気を遣っていると感じる

現地スタッフの事情を理解しようと努力している。言葉を選び、相手の立場を考え、問題が起きれば自分が間に入って調整している。

それでも状況が変わらなければ、「なぜ自分ばかりが気を遣わなければならないのか」と感じることもあるでしょう。

さらに、本社への報告や上司との調整まで重なると、気持ちを休める余裕がなくなってしまいます。

相手を理解しようとすることは大切ですが、自分だけが我慢し続けることが、良い関係を築く条件ではありません。相手への配慮と同じように、自分が抱えている負担にも目を向ける必要があります。

現地スタッフとの関係に疲れたときに考えたいこと

相手を変えることだけを目標にしない

関係がうまくいかないとき、「どうすれば相手を変えられるか」と考え続けてしまうことがあります。

しかし、相手の考え方や行動を、自分の思いどおりに変えることは簡単ではありません。相手を変えようとすることに意識が集中すると、期待どおりにならないたびに失望や怒りが強くなる可能性もあります。

そこで、相手を変えることだけでなく、自分が働きかけられることにも目を向けてみます。

例えば、指示の内容を具体的にする、期限や優先順位を明確にする、相手がどのように理解したかを確認する、責任範囲を話し合うといった方法です。

また、こちらが期待していることだけでなく、相手が仕事を進めるうえで何に困っているのかを尋ねることも役立ちます。

こうした働きかけによって、双方の認識のずれや、仕事が進まない背景が見えてくる場合があります。相手の反応を完全にコントロールすることはできなくても、仕事の進め方を見直す余地はあります。

何に一番疲れているのかを整理する

「現地スタッフとの関係がつらい」と感じていても、疲れの原因は一つとは限りません。

指示どおりに仕事を進めてもらえないことなのか。反発されることなのか。自分の努力を認めてもらえないことなのか。それとも、問題が起きるたびに自分が責任を負わなければならないことなのか。

何に最も負担を感じているのかによって、考えられる対応は変わります。

例えば、仕事が思うように進まないことが問題なら、指示や権限、業務分担の見直しが必要かもしれません。一方、自分の努力が理解されないことや、周囲に相談できないことがつらいのであれば、職場での役割や支援のあり方を考える必要があるかもしれません。

すぐに答えを出す必要はありません。まずは、何が起きたときに特につらくなるのか、自分は何を負担に感じているのかを振り返ってみてください。

自分一人で解決しようとしない

現地スタッフとの関係がうまくいかないと、「自分のマネジメントが悪いのではないか」と考えてしまうことがあります。

もちろん、自分の伝え方や対応を振り返ることは大切です。しかし、問題のすべてが自分の責任とは限りません。組織の方針や人員配置、権限、評価制度など、個人の努力だけでは変えにくい要因もあります。

必要に応じて、上司や現地法人の関係者に相談し、役割分担や業務の進め方を見直すことも選択肢です。

ただし、職場の関係者には話しにくい悩みもあるでしょう。評価や立場への影響が気になり、率直な気持ちを話せないこともあります。

そのような場合は、社内の利害関係から距離を置いて話せる社外の相談先を持つことも、一つの方法です。

疲れが続いているときは、自分の状態にも目を向ける

現地スタッフとの関係に悩み続けると、仕事のことを考えるだけで気が重くなったり、休日も気持ちが休まらなくなったりすることがあります。

以前よりイライラしやすい、眠りが浅い、仕事への意欲が低下している、家族に対しても余裕がなくなっている。こうした変化が続いている場合は、仕事上の問題だけでなく、自分の心身の状態にも目を向けてみてください。

海外駐在では、仕事と生活の環境が密接につながっています。職場でのストレスを家庭に持ち帰ってしまったり、家族に心配をかけまいとして悩みを話せなかったりすることもあります。

つらさを感じることは、海外駐在に向いていないという意味ではありません。責任を果たそうと努力しているからこそ、負担が大きくなっている場合もあります。

仕事上の対応を考えることと、自分の心身をいたわることは、どちらも大切です。一人で抱え続けず、信頼できる人に話したり、必要に応じて専門家に相談したりすることも考えてみてください。

海外駐在中の悩みを、一人で抱え込まないために

現地スタッフとの関係は、海外駐在における重要な課題の一つです。仕事の進め方や価値観の違いに戸惑うこともあれば、責任ある立場だからこそ、周囲に弱音を吐きにくいこともあるでしょう。

関係を改善するために、自分の対応を振り返ることは役立ちます。しかし、すべてを自分の努力だけで解決しようとする必要はありません。

相手との関係をどうするかだけでなく、自分は何に疲れているのか、どのような支援があれば負担を軽くできるのかを考えることも大切です。

一般社団法人 Vida felizでは、海外駐在員本人や帯同家族が抱える悩みや不安について、相談できる場を提供しています。

「職場の人間関係について、社内の人には話しにくい」「何がつらいのか、自分でもうまく説明できない」といった段階でも構いません。

現地スタッフとの関係をすぐに解決することだけを目指すのではなく、今の状況や自分の気持ちを整理するために、誰かに話してみることも選択肢です。

海外駐在中の仕事や人間関係の悩みを相談したい方は、以下よりお問い合わせください。

海外駐在中の悩みを相談する|Vida feliz