帰任後に訪れる心の壁――駐在員とご家族のためのメンタルケアガイド

こんにちは、Lively Lifeの坂井です。
私はかつて10年以上にわたり、ブラジル・オランダ・イギリスで駐在生活を送りました。華やかに見える海外勤務ですが、実際には孤独や不安、そして強いストレスに直面することが多くあります。そして意外と見落とされがちなのが、「帰任後の心のケア」です。

今回は、駐在経験者として、そして心理士としての立場から、帰任後に起こりやすい心の変化と、その乗り越え方を丁寧にお伝えします。

🌍 海外赴任から帰任後に起こる「見えないストレス」

海外駐在を終えて帰国すると、多くの人は「やっと日本に戻れた」「これで落ち着ける」と感じるはずです。ところが、実際には次のような悩みを抱えるケースが少なくありません。

  • 環境の変化への適応の難しさ
    海外では当たり前だった習慣やペースが、日本に戻ると通用しないことがあります。言葉や文化の違いはなくても、社会のスピード感や仕事の進め方に戸惑いを感じるのです。
  • 人間関係の違和感
    海外で培ったフラットなコミュニケーションが、日本の上下関係や暗黙のルールになじみにくい。上司や同僚、あるいは親族との関係に距離感を感じることがあります。
  • 家族への影響
    帯同した配偶者やお子さんも、帰国後に学校や社会に再適応する必要があります。特に子どもは「逆カルチャーショック」を経験しやすく、不登校や孤立感につながる場合もあります。
  • 喪失感・虚無感
    海外での責任ある立場や充実した時間を経験したあと、日本に戻ると「自分の居場所がない」と感じてしまう方もいます。

こうした心の変化は、病気とまではいえないけれど、放置すると大きなストレスや不調へつながりかねません。

🤔 「これは病気?」と思う前に知ってほしいこと

帰任後に「なんとなく元気が出ない」「やる気が続かない」と感じても、多くの人はこう考えます。

  • 「メンタル疾患だと思われたくない」
  • 「会社に知られたらキャリアに響くのでは」
  • 「自分が弱いだけではないか」

実際、私も駐在から戻った直後に似たような気持ちを抱えた経験があります。

大切なのは、これは自然な心の反応だということです。
文化の違う環境で長期間過ごしたあとに日本へ戻れば、誰でもギャップを感じます。それは心が弱いからでも、特別な病気だからでもありません。

💡 カウンセリングで得られること

「でもカウンセリングって何をするの?」と不安に思う方も多いでしょう。

カウンセリングは病気を診断する場所ではなく、心を整理し、回復力を取り戻す場です。
具体的には次のような効果があります。

  1. 気持ちの整理
    言葉にすることでモヤモヤや不安が明確になり、本当の気持ちや望みが見えてきます。
  2. 日常で使える対処法の習得
    ストレスや不安を和らげる具体的な方法(呼吸法、思考の切り替え、時間管理など)が身につきます。
  3. 視野の拡がり
    固定観念から解放され、「自分にはこんな選択肢もあったのか」と気づけます。
  4. 安心感と回復力
    信頼できる関係の中で話すことで、気持ちが落ち着き、前向きになれます。
  5. 自分らしい方向性
    人間関係やキャリアの軸を見直し、自分らしい生き方へとつながります。

つまりカウンセリングは、**未来への一歩を軽やかに踏み出すための“心のリカバリールーム”**なのです。

✈️ 帰任後の心を支える5つのステップ

私の経験と臨床現場での学びから、帰任後に役立つセルフケアのヒントをまとめました。

1. 「違和感は自然」と受け止める

帰任後にストレスを感じるのは当たり前。自分を責めずに、「誰でも感じること」と認めましょう。

2. 小さな日常リズムをつくる

毎日同じ時間に起きる、軽い運動を続けるなど、生活のリズムを安定させることが心の安定につながります。

3. 海外での経験を言葉にする

「何が大変だったか」「何を得たか」を紙に書き出すだけでも、自分の歩みを整理できます。

4. 家族との共有

配偶者や子どもも同じように適応のプロセスを歩んでいます。互いの気持ちを言葉にすることで孤独感は減ります。

5. 専門家に話してみる

カウンセリングを受けるのは「最後の手段」ではなく、「心の定期メンテナンス」と考えると気が楽になります。

👨‍👩‍👧‍👦 ご家族にこそ必要なケア

駐在員本人だけでなく、ご家族のケアも非常に重要です。

  • 配偶者はキャリア中断や孤立感を経験することが多い
  • 子どもは帰国子女としての立場に悩み、学校で居心地の悪さを感じることがある
  • 帰国後に家族の間で温度差が生まれやすい

こうした問題に早めに取り組むことで、家族全体の安心感が高まり、新しい生活にスムーズに適応できます。

🌱 私自身の体験から

私も駐在から帰国した当初、「日本社会に戻るのは簡単だろう」と思っていました。
ところが、実際には予想以上に大きなギャップに戸惑い、心身の不調を経験しました。

そんなとき、心理学の学びや合気道などの体験が、自分を立て直す大きな支えとなりました。そして同じように悩む人の力になりたいと、心理士として活動するようになったのです。

だからこそ、今まさに帰任後の違和感に悩んでいる方へ、「一人で抱え込まないでください」とお伝えしたいのです。

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そんなお気持ちに寄り添う時間です。

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まとめ

帰任後に感じるストレスや孤独感は、誰にでも起こり得る自然な心の反応です。
大切なのは、「自分だけの問題ではない」と知ること、そして一歩を踏み出すことです。

もし今、あなたが少しでも不安や違和感を抱えているなら、ぜひ私たちにお話しください。
新しい環境に前向きに適応するためのサポートを、心を込めてご提供します。

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